現在はデジタル化が暮らしにおいて進んでいますが、デジタル化は遺品についても進んでいます。
しかし、デジタル化が遺品についても進むと、自分が亡くなった後に考えてもみなかったようなトラブルになる恐れがあります。
というのは、自分のスマホ、パソコン、デジカメなどには、家族が自分が亡くなった後に見つけた場合に悲しむような多くの情報が詰まっているためです。
一方、遺った家族が把握しておくべき大事な情報も多く詰まっているでしょう。
では、普段から、どのようにデジタル情報を整理・管理しておくといいのでしょうか?
ここでは、デジタル遺品整理とは?処分検討機器一覧についてご紹介しましょう。

●デジタル遺品整理とは?

現役世代においても、自分が亡くなった後、トラブルに家族を巻き込まないように、どのようにして普段からデジタル情報を整理・管理しておくといいか、というのは他人事ではありません。
例えば、夫が亡くなる前に使用していたパソコンから、妻が知らないような女の人と写っている動画の生々しいものが出てくるようなこともありえます。
私たちの暮らしは、この20年ほどで非常に変わりました。

例えば、連絡する方法としては、メールやSNSというようなコミュニケーションツールが電話よりもメインになって、ほとんどのデスクワークもパソコンを使用するようになりました。
また、一般的に写真についてはデジタルデータで残す方が現像するよりも価格が安いために普及してきており、ショッピングについても容易にインターネット上でできるようになりました。

間違いなく、人々の行いはデジタル化したと言えるでしょう。
このような変化は、国の平成26年通信利用動向データを見てみるとよく分かります。

例えば、パソコンを1999年において保有していた世帯は37.7%の割合でしたが、78.0%まで2014年にはアップしています。
一方、2014年において、PHS・携帯電話を保有している世帯は94.6%ですが、これらよりデータを多く通信・保存できるスマホを保有している世帯は64.2%にもなります。
このようなデジタル化は、人々の暮らしを便利にしましたが、一方急にこれによるトラブルも多くなっています。

「デジタル遺品」のトラブルとは?

人が亡くなった場合、「デジタル化された遺品」という今までの遺品とは違うものが残るので、遺族がこの処理をする際にトラブルに遭います。
トラブルがデジタル遺品で起きる要因について、『「デジタル遺品」が危ない そのパソコン遺して逝けますか』という書籍を書いた人が話している内容についてご紹介しましょう。
デジタルデバイスのスマホやパソコンというようなものには、自分のみの情報で他の人には知られたくないようなものと、自分が亡くなった時に遺族が把握すべき情報が、一緒に保管されています。
そして、このような情報は、ほとんどの場合は亡くなった後の対処のための対策が行われていません。

そのため、トラブルとしては、他の人に知られたくないものを見られるものと、他の人が把握すべきものを見られないものがあります。
なお、デジタル遺品の生前整理術のやり方については、ネットなどでも紹介されているため確認してみましょう。

●処分検討機器一覧

先にご紹介したようなケースはパソコンに限定したものでしたが、当然ですが、別のデジタルデバイスでも同じようなことは起きます。
例えば、スマホを所有している人が亡くなった場合、恋人や家族がそのスマホを見るようなこともあるでしょう。
万一見られた場合には、以前の恋人との写真がそのスマホに残っていることもあるかもしれません。
このような場合は、パートナーは不満を友達に言っているでしょう。

パートナーは、これのみでも複雑な気持ちになりますが、不倫相手・浮気相手とのやり取りの赤裸々なものが場合によっては残っていることもありえます。
密かにスマホの妻や恋人・夫のパスワードを、把握しているような人も多くいるそうです。
例えば、一緒に暮らしている場合に、手の動きなどをパスワードをスマホで入れる時に見ていると分かるでしょう。
ほとんどの人は、相手が生存している時に盗み見をするのはためらうでしょう。
しかし、相手が亡くなった後は、パートナーのスマホをそのパスワードを使って見る可能性もありえます。
メッセージの秘め事のようなものをやり取りしているのを見られるのは、人気があるタレントのSNSのメッセージが漏れて騒がれている場合に起きるトラブルのみではありません。

また、リスクとしてはデジカメも高いものです。
デジカメに写真を保存しておいた場合に、誰が見た場合でも本当に問題が全くないものであるのか、十分に検討しておきましょう。
旅行に親密な関係の相手と行ったすぐ後に本人が亡くなると、その時の写真がデジカメに本当に残っているかもしれません。
亡くなった人自身はかばう必要もなく自業自得ですが、この写真を見て悲しむのは可愛そうな遺族です。
ここでは、デジタルデバイスの処分検討機器として、スマホ、デジカメについてご紹介しましたが、これ以外の身の回りにあるものについても十分に注意しましょう。

監修者

氏名(資格)
古閑 孝(弁護士)

-コメント-
遺産相続無料相談センターでは、士業(弁護士・税理士・司法書士・行政書士・不動産鑑定士)・相続コンサルタントとチームを組んだトータルサポート制を設けています。