相続放棄とは?

相続放棄とは

相続放棄とは相続権を放棄するというものです。
つまり、親や親族からもらえる財産を受け取らないという事で、これが相続放棄の一般的な意味になります。
相続は、人が死んだら自動的に必ず発生するものです。金額の多い少ないは何の関係もありません。

相続放棄の申し立ては年々増加傾向に

景気の低迷など背景に「プラスの資産よりもマイナス資産を残す時代」となりつつあります。
例えば亡くなった方に多額の借金があった場合、生活を考え生命保険に加入しているケースなど多いと思います。
多額の借金があった場合、この生命保険はどうなりますか?という質問も多いです。

結論から言いますと、相続放棄しても生命保険を受け取ることはできます。
その理由は「保険金は相続財産ではなく、保険金を受け取る人の財産」と考えられるためです。
相談者の方それぞれではありますが、一例として「生命保険の契約者・被保険者が夫、保険金の受取人が妻」というケースですと
妻が受け取った死亡保険金は、死亡した夫の財産ではなく、妻の固有の財産となります。
妻は相続を放棄しても保険金を受け取れますから、生命保険会社に保険金を請求してください。
ただし、この死亡保険金は「みなし相続財産」として、相続税の課税対象になる事になりますので注意しましょう。

全てのものを引き継ぐ、プラス・マイナスの借金、借金の保証人の地位などが該当します。
自分の都合は何の関係もなく、相続は始まりプラス・マイナスの借金も自動的に受け継いだことになる、
相続は借金も自動的に引き継ぎ「借金を自動的に引き継いでしまっている」という点です。

自分が借りたお金ではないのに人が死んだからといって、存在すら知らない借金を自動的に引き継いでしまっているのです。
「相続放棄」とは、自分の気持ちや都合に関係なく引き継いでしまう、「相続」というものを、自分としてはいっさい関わりたくないので「放棄」するというものです。

この「相続放棄」は相続関係の法律の中ではもっとも強力なもので「相続放棄」さえしてしまえば、相続について誰が何を言ってこようとも、いっさい関わらなくてよくなります。
たとえ有名な大手銀行であろうと、国の機関である税務署であろうと相続放棄さえしていれば、問題ありません。

相続放棄は申請が必要

「相続放棄」はこのようにとても強い力があるため、きちんと手続きをとらなければ、正式には認められません。
自分の気持ちとしては「相続放棄」した、相続放棄しますと一筆書いて署名して、実印を押したなどはこれらは「相続放棄」ではありません。
つまり「相続放棄」は誰かに書類を預けたり、誰かにまかせても自動的には成立しません。
誰かに相続のことはまかせたから、自分は「相続放棄」が済んでいるという認識でもそのような事は、ありません。
相続放棄の手続きをで書類をもらってはじめて、相続放棄が成立するのです。

相続放棄の期限、期間について

相続放棄の期限、期間については「3ヶ月」以内にしなければならない。
この様に、決められていますが、この「3ヶ月」というのが、問題です。

これが、いつからはじまり、どこが3ヶ月の終わりなのか。
正確に把握されている方は意外と少なく、相続放棄の3ヶ月の始まりは、「いつ」なのか

法律を正確に表現をすると、次の通りです。
相続放棄は「相続権があることを知った」ときから3ヶ月以内にしなければならない。

しかし、「死亡した」ときから3ヶ月以内に相続放棄をしなければならない。
この様に、相続放棄を勘違いされる方がおり、厳密には間違いです。
たとえばあなた自身が、誰かの死亡そのものを知らない。
この場合は、自分に相続権があることはわかりません。
ですから、3ヶ月以内の期限のカウントは始まらないのです。


Aさんが2007年9月8日に死亡。
Aさんの子供であるBさんが2010年5月8日にAさんの死亡を知った。

この場合、Bさんは2010年5月8日から3ヶ月以内に相続放棄をすればよいのです。
2007年9月8日から3ヶ月以内ではありません。

Bさんは2010年5月8日までAさんの死亡を知りませんでした。
相続放棄はやりようがありません。
だから、BさんがAさんの死亡を知った日が始まりで、法律を知らなかった、という言い分は認められない

相続放棄は3ヶ月以内にしなければならないことを知らなかった。
だから、その法律を知ったときから3ヶ月以内に相続放棄をすればいい。
この様に、言われる方もいますが、これは認められていません。

ただし、事実を知らなかった場合は、相続放棄できる

例外
Aさんが死亡したことは知っていた。
しかし、Aさんの子供が相続放棄をしたことは知らなかった。
だから、自分に相続権がまわってきたことを知らなかった。

これは、認められています。
この場合、自分に相続権がまわってきたことを知ってから3ヶ月以内に 相続放棄をすればよいことになります。
つまり、誰かが死亡した、誰かが相続放棄をしたなどという「事実」を知らなかった。
だから、自分に相続権があることを知らなかった。

これなら、「事実」を知った時より3ヶ月以内に相続放棄すればよいのです。
しかし「事実」は知っていたが法律を知らなかった。

これは、いっさい認められないのが、相続放棄というもので、書類を出す日が3ヶ月以内であればよい
相続放棄で3ヶ月という期間は、相続人がどうするか考える時間です。
相続するのか、放棄するのか、この期間に決めるのです。
なので、この期間に裁判所で審査する時間は含まれません。

相続権があることを知ってから、2ヶ月後に書類を提出。
相続放棄を審査するのに2ヶ月かかった。
4ヶ月後に相続放棄が認められた。
これも、3ヶ月という期間内に相続放棄が成立したといえます。


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