終活の意識調査

最近、「終活」ということを耳にする機会が多くなってきました。
終活と一言で言っても、お墓、葬儀、遺品、遺言書、相続など、いろいろな内容があります。

そのため、終活という言葉は分かっているが、どのようなことを実際に行うといいか、どのようなことから取り組むといいかよく分からないような人も多くいるでしょう。
ファインズという「墓石コネクト」を運営している企業が終活について意識調査をしたところ、終活を約7割の人がしていない一方、3割の人は終活をそれぞれのスタイルで行っていると回答しました。
20代~60代の男女に対して、ネットを使って「終活についての意識調査」を行って、有効回答を5497人から得ています。
2009年頃から終活という言葉が普及してきて、終活についての本やネットの情報も最近は多くなっています。

また、半分以上の人が、この調査から終活していないことが分かりました。
終活の場合は、始めるのはいつからがいいということはありませんが、65歳頃の定年退職になる時期がいいと言われているそうです。
というのは、15年ほど平均寿命になるまでにまだあるためと、割合使用できる時間が多くなるためです。

しかし、定年に近くなる時期が、実際に終活を意識するようになるためではないでしょうか。
最も多いのは終活していない人でしたが、自分の持ち物を整理しておくが次に多くなっています。
身近なものから整理し始めるのは、やはり最も終活の中でも容易に取りかかれるのでしょう。
お墓を建てるところを決めるという「生前墓」が、3番目に多いものでした。
お墓は、以前は先祖代々のものであるという強い意味合いがあり、デザインとしては画一的なものが多くありました。

最近は、亡くなった人のためにお墓を建てる場合も多く、前もって決めておくと自分が希望するお墓のデザインにすることもできます。
次に多いのは、「財産相続を整理する」「遺言書を作成しておく」でしたが、自分のためではなく「遺った家族のため」という強いイメージがあるためでしょう。
遺った家族が多いほど、トラブルが自分が亡くなった後に起きるのを防止するために、必ず遺言書を作成しておく方がいいでしょう。
「お葬式を決定しておく」が、最も少なく、全体の3%でした。
ベスト3と比較すると、お葬式は緊急性がないからでしょうが、余裕が時間的にある際にじっくりと決定しておけば、余計に出費することが少なくて葬儀プランが検討できます。
終活というのは、将来の自分の生き方を積極的に決めるものであるとともに、遺った家族に迷惑を可能な限りかけないために大切です。
相続税の改正もあり、終活について今後は早くから考える人も多くなってくるでしょう。

 

お墓は相続税の対象となるか?

「祭祀財産」というのは、お墓の相続財産のことです。
法的には祭祀財産には相続税が課税されないため、お墓は相続税の対象にはなりません。
お墓を建てるつもりであれば、生前に建てると、節税対策になり、相続する費用もその分少なくなります。
お墓を生前に建てていなければ、相続税を遺族が払った上で、お墓を建てる費用がさらにかかるため、費用負担をその分軽くできるでしょう。
また、祭祀財産なる位牌や仏壇も相続税は課税されません。

相続税が課税されない財産

・墓石や墓地、仏具、仏壇など普段礼拝しているもの

投資対象になる骨とう的価値があるものやなどは相続税が課税される財産

・宗教、学術、慈善、この他の公益事業を行う個人などが遺贈や相続で得た財産で、公益事業に確実に使用されるもの

 

生前にお墓を建てておくとどうして節税対象になるか?

お墓を買うための全国平均の費用は200万円近くになっており、一般家庭では負担が結構大きくなります。
先にご紹介したように、お墓を生前にお墓を建てておくと節税対象になります。
お墓を生前に建てることを「寿陵」と言って、子孫繫栄や長寿になると言われています。
では、お墓を生前に建てるとどうして節税対象になるのでしょうか?
というのは、相続財産としてお墓は課税されないためです。

祭祀財産である仏壇やお墓、仏具などは、相続税が課税されません。
このような祭祀財産は、お金に換えられない祖先を尊敬するためのものです。
そのため、相続財産としての課税対象に入っていません。

お墓を200万円で生前に建てたとしたら

この結果、200万円の現金が無くなり、200万円分相続税の課税対象額が少なくなります。
そして、祭祀財産の200万円分を財産として相続するようになりますが、相続税がこの200万円には課税されません。
そのため、最終的に相続対策になります。
また、一般的に、核家族化が近年は進んでいることもあり、被相続人の親などが亡くなった後にお墓を建てています。
このような場合は、お墓を買う代金を被相続人から相続人が相続した財産から払うため、お墓を買う代金は課税対象になります。

監修者

氏名(資格)
古閑 孝(弁護士)

-コメント-
相続問題は、家族や親族がお亡くなりの際、必ず発生します。誰にとっても、将来必ず訪れる問題だと言えます。わからないことや不明点は積極的に専門家へお尋ねすることをおすすめします。