死亡慰謝料の相続対象は誰?配偶者?両親?子供?

家族が交通事故で亡くなった場合は、相続対象に加害者への損害賠償請求権がなります。
そのため、相続人が損害賠償を保険会社に請求するようになります。
この中の精神的な苦しみに対する賠償である死亡慰謝料は、相続対象になります。

では、誰が死亡慰謝料は相続するのでしょうか?
遺族であれば相続人に誰でもなれるということでなく、相続人になれる人が法律で決められています。
被害者自身に配偶者の夫や妻などがいる場合は、この人が相続人の第1順位になります。
配偶者の他の場合は、相続人の順番は子供、父母・祖父母の直系尊属、兄妹姉妹になります。

 

実際に相続できる死亡慰謝料の計算方法

死亡慰謝料は、本人以外に、遺族に支払われることもあります。
このような場合は、相続分に応じて本人の慰謝料だけが相続され、遺族に対する慰謝料がこれとは別にもらえるようになります。
では、このような慰謝料を合計すれば、誰が慰謝料をどの程度実際に受け取れるのでしょうか?

父親が亡くなった事例

例えば、亡くなった父親自身に対しては2500万円の慰謝料で、これ以外に、200万円が妻に、2人の子供にそれぞれ150万円ずつ、父母にそれぞれ50万円ずつの死亡慰謝料が認可されたとしましょう。
相続人は、この場合は妻と2人の子供になります。

そのため、相続分に応じて父親自身の2500万円の慰謝料が振り分けられます。
つまり、慰謝料を遺族に対するものと相続分から計算すれば、1450万円が妻に、775万円が2人の子供に、50万円が父母に慰謝料として最終的に請求できるようになります。
具体的な死亡慰謝料の相続額を計算する方法についてご紹介しましょう。

遺族固有の慰謝料としては、妻が200万円、2人の子供がそれぞれ150万円、父母がそれぞれ50万円になります。
父親の慰謝料の相続分は、妻が1/2で1250万円、2人の子供がそれぞれ1/4で625万円ずつ、父母がそれぞれ無しになります。
合計の慰謝料は、妻が1450万円、2人の子供がそれぞれ775万円ずつ、父母がそれぞれ50万円になります。
このような計算であればよく分かりますが、慰謝料の他の損害も実際には相続対象になるので、計算はさらに複雑になります。
そのため、このようなことを考慮すれば、やはり、弁護士に相談する方がいいでしょう。

 

死亡事故では、相続人以外で示談が可能

一方、交通事故だけでなく、遺族同士が遺産相続の場合などでもトラブルになるということもよく耳にするのではないでしょうか。
交通事故での死亡事故でも、相続人同士でトラブルになる場合もあるようです。
弁護士に頼んで、示談がまとまって、大幅に慰謝料額がアップできそうな場合でも、条件などに相続人の一部が反対するようなこともあるでしょう。

では、このような場合はどのようにすればいいのでしょうか?
このような場合は、反対している一部の相続人以外で交渉するのが、対策としては適切なものになります。

しかし、一般的に、相続争いになることを保険会社は嫌います。
そのため、全員の相続人と合意が一括してできないと、示談できない場合が多くあるでしょう。
このような場合は、訴訟を個別に提起するしか方法はありません。
死亡事故の損害に関しては、相続分に応じて遺産分割を待たないで相続されるようです。
そのため、反対する一部の相続人以外で、個別に保険会社と示談してもいいということです。

 

死亡慰謝料の相続分は立場で変わってくる。

では、慰謝料はどのような比率でそれぞれの相続人は相続できるのでしょうか?
相続分とこの相続する比率のことを言います。
相続分に関しては、相続人に誰がなるかで違ってきます。
さまざまなケースが相続分に関しては想定されます。

ここでは、相続分に関して、配偶者がいるケースといないケースについてご紹介しましょう。
配偶者がいるケースの死亡慰謝料の相続分は、次にご紹介するようになります。

・配偶者、子供がいる場合は、配偶者が1/2、子供が1/2
 ・配偶者、直系尊属がいる場合は、配偶者が2/3、直系尊属が1/3
 ・配偶者、兄弟姉妹がいる場合は、配偶者が3/4、兄弟姉妹が1/4

配偶者がいないケースの死亡慰謝料の相続分は、次にご紹介するようになります。

・子供だけがいる場合は、子供が1
 ・直系尊属だけがいる場合は、直系尊属が1
 ・兄弟姉妹だけがいる場合は、兄弟姉妹が1

基本的にはこのようになりますが、生前贈与や遺言書があったりすると、相続分は違ってきます。
そのため、弁護士に一度相談する方がいいでしょう。

 

交通事故後の相続のまとめ

死亡慰謝料の相続対象は、被害者自身に配偶者の夫や妻などがいる場合は、この人が相続人の第1順位になり、配偶者以外の場合は、相続人の順番は子供、父母・祖父母の直系尊属、兄妹姉妹になります。
実際に相続できる死亡慰謝料の計算は、ここでご紹介したような方法になります。
死亡事故の場合は、一部の相続人を除いて示談ができます。
死亡慰謝料の相続分は立場で変わってくるため、相続に強い専門家が在籍する当センターにご相談ください。

監修者

氏名(資格)
古閑 孝(弁護士)

-コメント-
相続問題は、家族や親族がお亡くなりの際、必ず発生します。誰にとっても、将来必ず訪れる問題だと言えます。わからないことや不明点は積極的に専門家へお尋ねすることをおすすめします。