多くの女性が、結婚式・披露宴に対して盛大にしたいと思っているのではないでしょうか。
しかし、新婚カップルの場合には、結婚生活においてこれから費用がいろいろ発生するため、やはり、出費は手痛いでしょう。
有名な都内のホテルで結婚式・披露宴を検討している女性の場合は、150名超のゲストがあり、装飾の生花などにもこだわるため、1000万円を費用のトータル額がオーバーするそうですが、女性の両親がこのほとんどの費用を負担するので、なんとかなるそうです。
しかし、両親は結婚費用として1000万円を準備すると言っていますが、本当はこの費用は贈与税を払う必要があるのではないか、というような心配が女性としてはあるそうです。
この女性は、父親が開業医であるためこのような多額の費用を負担してもらっていますが、新郎新婦の場合には負担を親などからしてもらう場合も多くあるでしょう。
では、このような親に結婚費用を負担してもらった場合には、贈与税を払う必要があるのでしょうか?
親が子供の結婚資金を負担する場合に、税金面においてどのようなことに注意する必要があるのでしょうか?
贈与税は一般的に認められる枠内の場合には課税されない
基本的に、結婚資金の負担に関しては、贈与税は一般的に認められる枠内の場合には課税されません。
では、どうして贈与税は課税されないのでしょうか?
まず、親が子供の結婚式・披露宴の費用を負担した場合の、贈与税の課税についてご紹介しましょう。
どの程度新郎新婦と両家のどのような人が結婚式・披露宴の費用を負担するかということは、結婚式・披露宴の中味、地域の慣習、ゲストとの関係・ゲストの人数などによって違ってきます。
いろいろな事情によって、本来負担すべき人が費用を負担していれば、贈与には基本的にならないため、贈与税は課税されません。
先にご紹介した女性の場合は、自分が本来は負担する必要があると思っていたため、親が負担するのは贈与になると思っていたようです。
しかし、結婚式の費用を親が負担することが、その家や地域の慣習になっている場合もあるでしょう。
このような場合には、親が結婚式の費用を負担するのは贈与にはならないため、贈与税は課税されません。
また、「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」が平成27年4月1日から始まって、子育て資金の保育料や結婚式の費用などをまとめて最高1000万円まで贈与できるようになっています。
「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」とは?
ここでは、「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」の概要についてご紹介しましょう。
「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」というのは、父母や祖父母の直系尊属の贈与者が、平成27年4月1日~平成31年3月31日の間に、子や孫の20歳以上50歳未満の人に対して一括で子育て・結婚資金を贈与して、銀行の名義が子や孫の口座に預けると、贈与税が1000万円まで課税されないものです。
この非課税措置の対象になっているのは、不妊治療費、住居費などが、結婚式・披露宴の費用以外に挙げられます。
預貯金や家屋・株式の購入費用に結婚資金を引き当てると相続税が課税される
また、結婚する場合に、新しい住宅や花嫁道具などの費用を親が負担してくれる場合も多くあるでしょう。
では、このような場合にはどのようなことに注意する必要があるのでしょうか?
親が、子が結婚した後に普段の生活を送るために寝具・家具・家電品などを贈与した場合でも、贈与税は課税されません。
あるいは、このようなものを購入するために親が子にお金を贈与して、購入する費用にこの全額を充てた場合も、贈与税は課税されません。
しかし、贈与したお金を子が預貯金にしたり、住宅や株式を子が購入する費用にしたりする部分は、贈与税が課税されます。
なお、住宅を購入するお金の贈与に関しては、『住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税の規定』が、申告する必要があるものとしてあります。
この非課税の規定は、父親・母親や祖父母などの直系尊属が住宅を取得するお金などを、孫や子などに贈与する際に適用になります。
制限は父親・母親や祖父母の年齢にはありませんが、対象の住宅の条件としては50㎡以上240㎡以下の登記面積などがあるため注意しましょう。
住宅を取得するなどのお金を贈与した場合は、基礎控除の110万円のものにプラスしてこの非課税の規定が利用できるだけでなく、一緒に相続時精算課税制度が利用できます。
贈与される人は、20歳以上で、贈与される年の所得が2000万円以下のトータル額であることが条件としてあります。
先にご紹介した女性の場合も、親に負担してもらったのが結婚式の費用のみであれば、贈与税は課税されません。
しかし、贈与されたお金を結婚式の費用などに全て使い切らないで、余ったお金を預貯金などにすれば、贈与税が課税されるため十分に注意しましょう。
監修者
氏名(資格)
古閑 孝(弁護士)
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