日本においても、年々、再婚や離婚するケースが増えてきており、子連れで再婚する人も近年は多くなってきました。
また、現妻が養育費として夫の前妻の子供のものを払うようなケースもあります。
連れ子にとっては、両親がまた再婚によって揃うのは嬉しいでしょう。

しかし、このような場合には、再婚する相手と連れ子の養子縁組が気になるのではないでしょうか。
当然ですが、養子縁組を組まない場合でも、一緒に実際の家族として生活することができます。
では、養子縁組を組むことによって、どのようなメリット・デメリットが起きるのでしょうか?
ここでは、子連れ再婚「養子縁組」のメリット・デメリットについてご紹介しましょう。

養子縁組とはどのようなものか?

では、養子縁組とはどのようなものでしょうか?
養子縁組としては、特別養子縁組と普通の養子縁組があります。
普通の養子縁組の場合は、基本的に、当事者の意思で養子縁組が自由にできます。
しかし、特別養子縁組の場合は、養子のなるのは6歳未満の子供であること(養親になる夫婦のところで6歳になる前からすでに育てられた場合は8歳未満の子供まで)、しかも養育を実親が行うことが非常に難しい場合に適用になります。

普通の養子縁組の場合は、基本的に、戸籍上の養子と養親の関係であり、関係が実親とは切れません。
一方、特別養子縁組の場合は、関係を実親と切って、実子を実親が育てるためのもので、物心が子供につく前に養子縁組を行うことが必要であるため、制限が年齢に対してあります。
また、特別養子縁組は、養子縁組を自主的に行うことができなく、手続きは家庭裁判所を必ず通して行うことが必要です。

 

養子縁組にはどのようなものが必要か?

養子縁組の場合は、養子縁組届を連れ子あるいは再婚する相手が住んでいる市町村または本籍地の役場に提出します。
提出するところが本籍地以外の場合は、戸籍謄本も提出する必要があるため注意しましょう。
養子縁組届の場合は、名前や住所、生年月日というような連れ子や再婚する相手の情報以外に、届出人の他に2人の20歳以上の人による押印や署名が証人として必要になります。
そのため、養子縁組を決定した場合は、誰かに証人を依頼するようにしましょう。

また、届け出する場合は、写真入りのパスポートや運転免許証などの証明書を使用して本人確認を行うそうです。
そのため、事前に証人を準備しておくと、養子縁組の手続きがスムーズにできるでしょう。
さらに、配偶者が再婚する相手にいる場合は、区役所によっては押印や署名をする必要がある場合などもあるそうです。
そのため、事前に実子など全ての人が納得したうえでないと、養子縁組は困難のようです。
遺産相続の問題も、配偶者が再婚する相手にいる場合は生じてくるため、話し合いを必ず行って、納得をお互いにできる形で養子縁組・再婚をしましょう。

 

養子縁組のメリット・デメリット

メリット

養子縁組の場合は、養子縁組によって法律上は位置付けがほとんど実子と同じようになるため、再婚した相手がもし死亡した場合に連れ子にも遺産相続の権利が生じるというメリットがあります。
また、連れ子が再婚した相手の親の遺産も相続するようになります。
しかも、養子縁組のメリットは、相続税が節税されるということもありますが、限りが法廷相続人数にはあるため注意しましょう。
法定相続人数としては、実子がいれば1人まで、実子がいなければ2人までになっているため、兄弟の連れ子などの場合は、注意が必要でしょう。

デメリット

養子縁組の場合は、実親の遺産相続のデメリットがあります。
特別養子縁組の場合は、実の親子関係が元の夫と切れます。
そのため、連れ子と一緒に女性が再婚して、新しい夫と連れ子が養子縁組をすると、元の夫が死亡した場合に、元夫の遺産相続権が連れ子に無くなるということが考えられます。
そのため、元の夫の財産を相続したい場合は、それほど得策とは言えないでしょう。
一方、元の夫との関係を継続する養子縁組の場合は、元の夫が死亡した場合でも相続できる権利があります。
養子縁組の場合は、先にご紹介したようなデメリットはないと思っていいでしょう。

また、養育費を実親からもらっていれば、養育費が養子縁組によって少なくなる場合もあり得ます。
養育費を現在もらっており、今後も養育費を続けてもらおうと思っている場合は、もう一度考え直してみる必要もあるでしょう。

さらに、再婚した相手の姓を連れ子が名乗りたくない、つまり苗字を変えたくなければ、日常的に戸籍と異なった苗字を使う必要があります。
再婚に子供が賛成して、苗字を変えることも問題ない場合は、このようなデメリットはないと考えられるため、子供の理解が再婚前に得られるように、交流を再婚する相手と持つなどしましょう。
特に、学生に子供がなっている場合は、苗字を変えたくないという場合も多くなるでしょう。
事前に、再婚する相手だけでなく、養子縁組についても分かってもらうことが必要でしょう。

監修者

氏名(資格)
古閑 孝(弁護士)

-コメント-
相続問題は相続人によって異なります。相続人は親族であり、その後も長い時間をかけて付き合う可能性が高い相手。だからこそ、円滑に、そしてお互いが納得した遺産相続手続きを進めたいですよね。