そもそも、投資信託とは?
投資信託というのは、プロの専門家が投資家の資金を運用して、運用した分配金や売却益などが出資額によって投資家に与えられるものです。
投資信託の種類
投資信託の種類としては、次のようなものがあります。
型 | 投資対象地域 | 投資対象資産 | 独立区分 | 補足分類 |
---|---|---|---|---|
単位型 | 国内 | 株式 | MMF | インデックス型 |
追加型 | 海外 国内、海外 | 債券 不動産 その他の資産 複合資産 | MRF ETF | 特殊型 |
投資信託のメリット・デメリット
投資信託のメリットとしては、次のようなものがあります。
・少額から購入することができ、値上がり益や分配金が期待できる
・運用をプロの専門家が行う
・多くの商品の種類があり、自分に適した投資信託が選択できる
・分散投資が手軽にできる
・しっかり情報開示がしている
投資信託のデメリットとしては、次のようなものがあります。
・元本割れのリスクがある
・費用がかかる
・1日に1回だけの基準価額の更新である
投資信託の相続
1.必要な手続き
投資信託を相続する際は、被相続人が利用している証券会社に連絡します。
必要書類が証券会社より送られてくるため、必要書類を書いて送り返して問題なければ投資信託の相続は終わります。
2.遺言書の確認・遺産分割協議書の作成
遺言書があれば、投資信託を相続する人が決まっているか、あるいは遺言執行者が選ばれているかをチェックします。
相続人間で投資信託などの遺産を分けるためには、遺産分割協議書が必要になります。
投資信託を相続する際は、証券会社に遺産分割協議書を提出する必要があります。
3.残高証明書の発行
被相続人が持っていた投資信託について詳しくチェックするには、残高証明書を証券会社に発行してもらう必要があります。
4.引き継ぎ
相続人間で遺産分割協議書を作って、残高証明書を証券会社から入手できれば、投資信託の名義を変えます。
この際、証券会社によって提出書類は違ってきますが、次のような書類が主なものです。
・遺言書
・検認済証明書
・被相続人の戸籍謄本
・投資信託を相続する人あるいは遺言執行者の印鑑証明書
遺言書がある場合
・遺言書
・検認済証明書あるいは検認調書
・被相続人の戸籍謄本
・投資信託を相続する人あるいは遺言執行者の印鑑証明書
遺産分割協議を行った場合
・遺産分割協議書
・被相続人の戸籍謄本
・全員の相続人の戸籍謄本
・印鑑証明書
なお、証券会社が決めた書類によって、投資信託の相続処理ができることもあります。
投資信託の相続税評価
投資信託の残高証明書は、資料として相続税を計算する際に使います。
では、投資信託の評価は相続する際にどのように決定されるのでしょうか?
国税庁の財産評価基本通達で、相続する際の投資信託の評価は決められています。
なお、被相続人が買った際の購入簿価は、相続税評価については関係ないため注意しましょう。
相続後に売却(解約・償還を含む)する場合の税金
投資信託を相続してから売ることもあるでしょう。
この際に注意する必要があるのは、投資信託は被相続人が買った取得価額で相続することです。
つまり、被相続人が買った際の価格をベースに儲けを判断します。
ここでは、具体的な投資信託の課税についてご紹介しましょう。
1.基準額が下落している場合
投資信託の基準価格が、被相続人が買った際より売る際に下がっている場合は、売ることによって売却損が出るため課税されません。
2.基準額が上昇している場合
投資信託の基準価格が、被相続人が買った際より売る際に上がっている場合は、売ることによって売却益が出るため譲渡所得として、15.315%の所得税、5%の住民税のトータル20.315%が課税されます。
知らずに投資信託を相続することになったら
投資信託の運用についてよく分からないような人が、相続する場合も十分にあり得ます。
このような場合は、証券会社にまず連絡して、手続きについて相談するのがいいでしょう。
また、投資信託を相続する際によく分からない場合は、専門家あるいは弁護士に相談するのがおすすめです。
まとめ
投資信託というのは、プロの専門家が投資家の資金を運用して、運用した分配金や売却益などが出資額によって投資家に与えられるものです。
投資信託のメリットは、次のようなものなどがあります。
・少額から購入することができる
・値上がり益や分配金が期待できる
・運用をプロの専門家が行う
一方、投資信託のデメリットとしては、次のようなものなどがあります。
・元本割れのリスクがある
・費用がかかる
投資信託を相続する際の流れとしては、次のようになります。
・必要な手続きを行う
・遺言書を確認する
・遺産分割協議書を作成する
・残高証明書を発行してもらう
・引き継ぎする
投資信託は、被相続人が買った取得価額で相続するため、被相続人が買った際の価格をベースに儲けを判断します。
監修者
氏名(資格)
古閑 孝(弁護士)
-コメント-
投資信託を相続する際によく分からない場合は、信託の知見がある専門家が在籍する当センターにご相談ください。