●デジタル終活とは?

デジタル終活とはどのようなものでしょうか?
インターネット、そしてパソコンやスマホが普及することによって、見つかりにくい遺産が多くなってきました。
目に見えないパソコンやスマホのデータも、遺産としては立派なものです。
自分がもし亡くなった場合に、このようなものを具体的にどのようにしようかと悩んでいる人は多くいるでしょう。
データとしては、家族に知られたくないものがある一方、家族に知らせる方がいいものも結構多くあるでしょう。
例えば、不倫の形跡、アダルト系の映像や画像などが自分が亡くなった後に見つかると、遺族が傷つくこともあります。
データとして秘密にしたいものがある場合は、自動的に亡くなった後に削除するソフトを使うのも方法の一つです。
最近は、クラウド上にデータを保管するような人も多くいます。

●クラウドというのは?

インターネット上にデータを保存してくれるサービスです。
前提として利用する人自身が管理する必要があるので、データがインターネット上に急に亡くなった場合などはそのままになって、流出するリスクもあります。
ポータルサイトの日本最大クラスのものを運営しているヤフーは、「Yahoo!エンディング」という終活サービスを2014年7月に始めました。
例えば、葬儀の手配や墓探しにプラスし、自分が亡くなった後、メッセージを友達や家族へ送ったり、課金を有料サービスで停めたりするなどをサポートしています。
しかも、データとして「Yahoo!ボックス」のクラウドサービス内にあるものを削除してくれます。
アンケートを事前に行った際に多くの要望があった、データで家族に見られたくないものは削除したいという要求に対応したものです。

●データとして消去したい一覧

では、データとして消去したいのはどのようなものがあるのでしょうか?
『「デジタル遺品」が危ない そのパソコン遺して逝けますか?』の作者で、情報セキュリティーのプロによると、亡くなった人が関係したデジタル遺品は、亡くなった人の名誉が傷つかないで、犯罪に利用されないためにも、もれなく見つけ出すことが大切であるということです。
スマホやパソコン、外部記憶媒体のSDカードやUSBメモリーなど、インターネット上のクラウドなど、全部を探し出すことが必要です。

●デジタル終活サービス一覧

しかし、スマホやパソコンの場合は、パスワードを起動する際に入力する必要があるため、これを入力しないと基本的に全く確認できません。
現在、このような場合のサービスが着目されています。
データ復旧などを行っているデータサルベージは、「LxxE(ルクシー)」というデジタル遺品整理サービスを始めています。
このデジタル遺品整理サービスは、亡くなった人が使っていたスマホやパソコンのパスワードを解除したり、写真を復元したり、アドレス帳を検索したりすることにプラスして、亡くなった人の情報が漏れるのを防止するためにSNSなどのアカウントを削除したり、完全にデータを削除したりすることも行っています。

メディアで報道される場合もこのデジタル遺品整理サービスを始めてから多くあり、遺族で相談する人も多くなったそうです。
特に、写真の整理が多く相談があるそうです。

家族が知らないスマホやデジカメ撮った写真を見つけたり、家族が写っている写真を亡くなった人の写真の中から探したりするというような対応をしています。
データサルベージ社長によると、亡くなった人の笑顔の写真、楽しそうな写真に多くの遺族が救われているそうです。
東日本大震災の時、出身が宮城県のデータサルベージ社長は、津波によって流されたデジカメやパソコンのデータ復旧を行ったそうです。
親族をデータサルベージ社長自身も失って、悲しみが亡くなった人の笑顔の写真に癒やされたそうです。

デジタル遺品を整理することは、亡くなった人の尊厳を保護するとともに、亡くなったことを遺族が受け入れて、未来を積極的に生きるために非常に大事な作業になるでしょう。
亡くなった人が削除したインターネットを閲覧した履歴やメールを復旧することも、技術的にはできます。
サービスとしてどのようなものを利用していたのか、交友関係としてどのようなものがあったのか、などを把握する手がかりになります。
証拠データに解析したものがなると、相続トラブルを遺族が解決する際に役に立つ場合もあるでしょう。

●デジタル終活サービス費用

「ルクシー」の場合は、サービス費用として初めての場合が5万円、希望する内容で違ってきますが、その後はトータルで15万円~20万円くらいの場合が多いそうです。

●終活は何時くらいから意識するものか?

では、何時くらいから意識するといいのでしょうか?
目に見えないデジタル遺品は、整理をきちんとしておくことが大切です。
どのようなものを残して、どのようなものを伝えて、どのようなものを削除するか、などについて整理しておきましょう。
デジタル終活は、思い立った時にスタートしましょう。

監修者

氏名(資格)
古閑 孝(弁護士)

-コメント-
わからないことや不明点は積極的に専門家へお尋ねすることをおすすめします。