相続する際に、障害者が法定相続人の中にいれば、普通とは違うことが相続税申告と遺産分割においてあるので注意しましょう。
障害者の相続人がいれば、手続きを相続が発生した後から行うと、相続税申告期限の10ヵ月以内に間に合わない場合もあります。
そのため、相続税の手続きの準備を事前に行っておくことが要求される場合もあります。
また、一定の控除が相続税についてもあるので、節税するためにも覚えておきましょう。

 

障害者の居る遺産分割において成年後見人の選任が必要

遺産分割において、手続きが障害者のために必要なのは、意思能力がその障害者にないケースです。
つまり、障害者の場合でも、問題が意思能力になければ手続きは特に必要ありません。
例えば、意思能力がない障害者であると、医師に診断されているような場合は該当します。
このような障害者の居る遺産分割においては、成年後見人の選任が必要になります。

成年後見人というのは、知的障害、認知症、精神障害など精神上の障害によって、十分に判断能力がない人が不利益にならないように、申立てを家庭裁判所に行って、援助してもらう人です。

 

障害者控除という税額控除が受けられる

85才未満の障害者の相続人の場合は、税金が相続税から控除されます。
なお、平成27年1月1日以降は、税制改正によって従来より大きな相続税の控除額になっているので注意しましょう。
この障害者控除が受けられるのは、財産を相続した人が、次にご紹介する全てに該当する場合です。

・国内に居る
・法定相続人である
・障害者である

控除額は1年あたり10万円(一般障害者)か20万円(特別障害者)のどちらか

障害者控除額は、相続人が特別障害者と一般障害者によって違ってきます。
障害の程度が特別障害者の方が重いので、大きな相続税控除額になります。
また、障害者控除の対象は、相続人が満85歳までになっており、相続した後に暮らす期間は相続人が若いほど長くなるので、大きな控除額になります。
例えば、20歳の相続人の場合は、65年間85歳まであるため、控除額は年間の控除額の65倍になります。
ここでは、障害者控除額の具体例についてご紹介しましょう。

特別障害者の場合

満85歳までは、20万円が1年について控除されます。
例えば、相続が始まった時に相続人が70歳11ヶ月の場合、特別障害者の控除額は、85歳から70歳11ヶ月を差し引いた14年1ヶ月を切り上げした15年に、20万円を掛けた300万円になります。

一般障害者の場合

満85歳までは、10万円が1年について控除されます。
例えば、相続が始まった時に相続人が42歳3ヶ月の場合、一般障害者の控除額は、85歳から42歳3ヶ月を差し引いた42年9ヶ月を切り上げした43年に、10万円を掛けた430万円になります。

 

控除枠を使い切れない際には、他の相続人の相続税も軽減される?

控除額が障害者自身の相続税よりも大きい場合は、税法上、控除が他の相続人からできるという決まりがあります。
ここでは、具体的な事例についてご紹介しましょう。

例えば、特別障害者の40歳の長男と障害者でない次男の相続税が、それぞれ500万円としましょう。
特別障害者の長男の障害者控除額は、85歳から40歳を差し引いたものに20万円を掛けた900万円になります。
この場合は、900万円に長男の障害者控除はなり、500万円の相続税であるため相続税は実際には全くかかりません。

しかも、900万円の長男の障害者控除に対して500万円の相続税であるため、障害者控除の400万円分が余るようになります。
このように、障害者自身の余った分が障害者控除にあれば、控除を他の相続人の扶養義務者の相続税から行うことができます。

なお、扶養義務者というのは、配偶者、子供、父母、兄弟姉妹、祖父母、孫、3親等内の親族で、扶養義務を家庭裁判所が負わせた人です。
この事例の場合は、長男の弟である次男は扶養義務者になるため、次男の500万円の相続税から長男の障害者控除で余った400万円が控除になります。
そのため、次男の相続税は500万円から400万円を差し引いた100万円になります。

また、この場合の扶養義務者というのは、扶養を実際にしているかどうかは一般的に関係なく、配偶者、子供、父母、兄弟姉妹、祖父母、孫、3親等内の親族という関係が戸籍上で分かると控除対象になります。

 

障害者が居る場合における遺産分割や相続税のまとめ

相続する際に、障害者が法定相続人の中にいれば、普通の相続とは違うことが相続税申告と遺産分割においてあるので注意しましょう。
障害者の居る遺産分割においては、成年後見人の選任が必要になります。

特別障害者の場合は満85歳までは20万円が1年について控除され、一般障害者の場合は満85歳までは10万円が1年について控除されます。
控除額が障害者自身の相続税よりも大きい場合は、税法上、控除が他の相続人からできるという決まりがあります。