親が亡くなったので、遺産相続について家族で話し合うことになったけど、どうも折り合いがつかない…。こんなことで家族と揉めたくないのに!
遺産相続について悩んだら、無料相談はいかがでしょうか?
無料相談はどこでできるのか、誰に相談すればよいのか、などをまとめてみました。
遺産相続の無料相談をしてみよう
遺産相続に悩んだら、弁護士や司法書士が無料相談をしている場合があります。
では、遺産相続の無料相談では何を聞いてくれるのでしょうか?
相続にはたくさんの悩みがあると思います。
例えば
・不動産を相続したが登記などどうすればいいかわからない。
・不動産の境界がわからない、不動産価格がわからない。
・身寄りがなく、誰も相続人がいない。
・夫が亡くなってしまい、銀行からお金がおろせない。
・かわいい孫に財産を譲ってあげたい。
・書類を揃えたり提出したりしなければならないが、役所などは平日しかやっていない。平日は仕事なので役所に行く時間が無い…。
など、これはほんの一部で、遺産相続をするとたくさんのトラブルが予想されます。
これらの悩みを解決してくれるのが遺産相続の無料相談です。(※)
難しい遺産相続の手続きや、親族のトラブルなどを相談して、解決に導いてくれます。
※相談内容によっては料金がかかることがあります。また、業務を依頼すると報酬が必要です。
誰に相談すれば良いの?
遺産相続をする際に相談しようとすると、様々な士業(弁護士、行政書士、税理士、司法書士等々…)の名前が出てきますが、いったい誰に相談すれば良いのでしょうか?
それぞれ士業は取り扱うことができる分野が決まっています。
業務内容 | 弁護士 | 司法書士 | 行政書士 |
相続についての法律相談 | 〇 | × | × |
遺産分割協議書の作成 | 〇 | 〇 | 〇 |
交渉の代理 | 〇 | △※ | × |
民事裁判の代理 | 〇 | △※ | × |
調停の代理 | 〇 | △※ | × |
家事裁判・強制執行の代理、審判代理 | 〇 | × | × |
※…法務大臣の認定を受けることができた場合のみ例外的に認められる業務です。
司法書士がその業務を認められた場合でも、経済的利益が140万円未満の業務しか行うことができません。
初めは140万円を超えないと思われた案件であっても、交渉や相談をしている間に140万円を超える可能性があります。そうなると司法書士は交渉や相談を中止しなければならなくなります。
また、民事裁判の代理については、司法書士は民事事件、かつ簡易裁判所に管轄権があるものについては代理が可能です。(ただし、簡易裁判所に管轄がある民事裁判は地方裁判所でも行うことができます。地方裁判所で行う場合は、司法書士は代理することができません。)
この表を見たらお分かり頂けると思いますが、弁護士に依頼すると、遺産相続に関わる調停・審判・裁判などのすべての業務を行うことができます。
ただし、不動産の名義変更は司法書士、相続税の申告手続きは税理士でないとできませんのでご注意ください。
役所などでも相談ができる
市役所など役所でも、弁護士や司法書士、または市の職員が相談を受けてくれるところもあります。
この場合、各種書類の作成やチェックはできませんし、相談した弁護士や司法書士に具体的な仕事の依頼や問題の解決を依頼することもできません。
また、同じ案件を繰り返し相談することはできませんし、相談した後に問い合わせをしても、答えてもらうことができません。
要はこれからどのようにしたらいいかを簡単に聞くだけ、ということでしょう。
さらに、役所ですので、相談時間に制限が設けられていたり、平日の決まった曜日にしか相談を受け付けていないことが多いようです。
相続する前に生前贈与をしようと考えている場合
中には、遺産相続する前に相続税対策として、または可愛がっている孫に財産をあげたいなど、「生前贈与」を考えている方もいるのではないでしょうか。
生前贈与とは、生きている間に財産をあげることを言います。贈与する人を贈与者、受け取る人を受贈者と言います。贈与者と受贈者がそれぞれ合意をすれば生前贈与が成立します。
生前贈与にはいくつか非課税枠のある制度があります。
①暦年贈与(基礎控除による非課税)
毎年1月1日~12月31日までの一年ごとに、贈与でもらった財産の贈与税で計算する方法を暦年課税と言います。その暦年課税を利用すると、年間110万円までの贈与であれば基礎控除を受けることができます。
注意が必要なのが、例えば“毎年決まって100万円を10年間孫にあげる”として贈与をしていた場合、「連年贈与(毎年繰り返し贈与を行う事)」とみなされ、贈与税を課税されてしまいます。
②相続時精算課税制度
被相続人(亡くなった人)に当たる親、相続人に当たる子の間で、いずれ相続されるであろう財産を先渡しすることができる制度です。
この制度を利用すると、贈与される財産の内2,500万円までが非課税となります。2,500万円を超える部分には、一律20%の贈与税がかかります。
財産の種類や、贈与の回数に制限はありませんが、非課税となるのは贈与者1人につき合計2,500万円までですのでご注意ください。
また、年齢制限があるのも注意点の1つです。
贈与者は60歳以上の親又は祖父母、受贈者は20歳以上の子・又は孫と決まっています。
③住宅取得資金贈与の特例
平成31年6月30日までに、親や祖父母から、贈与によって住宅を取得した場合は、以下の条件を満たせば最大1,200万円まで非課税になります。
(1) 贈与を受けた時に贈与者の直系卑属(子や孫)であること。
(2) 贈与を受けた年の1月1日において、20歳以上であること。
(3) 贈与を受けた年の年分の所得税に係る合計所得金額が2,000万円以下であること。
(4) 平成21年分から平成26年分までの贈与税の申告で「住宅取得等資金の非課税」の適用を受けたことがないこと。(一定の場合を除きます。)
(5) 自己の配偶者、親族などの一定の特別の関係がある人から住宅用の家屋の取得をしたものではないこと、又はこれらの方との請負契約等により新築若しくは増改築等をしたものではないこと。
(6) 贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅取得等資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築等をすること。
(注) 受贈者が「住宅用の家屋」を所有する(共有持分を有する場合も含まれます。)ことにならない場合は、この特例の適用を受けることはできません。
(7) 贈与を受けた時に日本国内に住所を有していること(平成29年4月1日以後に住宅取得資金の贈与を受けた場合には、受贈者が一時居住者であり、かつ、贈与者が一時居住贈与者又は非居住贈与者である場合を除きます。)。
なお、贈与を受けた時に日本国内に住所を有しない人であっても、一定の場合には、この特例の適用を受けることができます。
(注) 「一時居住者」、「一時居住贈与者」及び「非居住贈与者」については、受贈者が外国に居住しているときをご覧ください。
(8) 贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住すること又は同日後遅滞なくその家屋に居住することが確実であると見込まれること。
(注) 贈与を受けた年の翌年12月31日までにその家屋に居住していないときは、この特例の適用を受けることはできませんので、修正申告が必要となります。
引用(国税庁:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4508.htm)
④夫婦間贈与の特例による非課税
夫婦の間で、自宅として使用している不動産を2,000万円分贈与、または新たにマイホームを購入する資金として2,000万円を現金で贈与する場合、以下の条件が満たされていれば贈与税が非課税となります。
(1)婚姻届を出した日を起点として、婚姻期間が20年以上過ぎた後の贈与であること。
(2)自宅としての国内の不動産であること。
(3)贈与を受けた年の翌年3月15日までに、該当の不動産に、贈与を受けた者が現実に居住し、その後も住み続ける見込みであること。(住民票を移しておく必要があります。)
(4)過去にこの特例を受けていないこと。
(5)贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までの間に贈与税の申告をすること。
いずれの非課税枠を使用するにしても、色々と制約がある上に、間違った使い方をすると、かえって相続税がかかってしまう場合があります。また、どの非課税枠を使うかも重要なポイントのようです。素人考えでやるよりも、税理士などに相談しながら進めていくほうが確実でしょう。
遺産「争族」にならないために
相続について揉めないように、以下の点に注意しましょう。
①相続財産の内容を明確にしておく
相続に関するトラブルは、相続財産の内容がよくわかっていないことが原因であることが多いようです。
あらかじめ相続財産の内容がはっきりしていないと、相続人同士で使い込みや財産を隠しているのでは…と、疑い合うことにつながりかねません。
被相続人が生きている間に遺産目録の作成と、それに基づく遺言書を作成しておくとトラブルは避けられるかもしれません。
②平等に贈与を行う
上記のように遺言書を作成したとしても、遺言書の内容が偏っていた場合や、偏った生前贈与などを行うと、これもまたトラブルになりかねません。
あまりに偏りがひどかった場合、相続人は遺留分減殺請求(※)を起こすことができますので、せっかく遺言書を書いたにもかかわらず、むしろそのためにトラブルが起こってしまう可能性があります。
遺言書の作成や生前贈与を行う場合は、できるだけ相続人に平等になるようにしておくほうが良いでしょう。
※遺留分減殺請求…遺留分(遺言によって著しく法定相続分を侵害されている場合など、相続人に最低限の財産の相続を確保する権利)を侵害されている相続人が、遺留分を侵害している他の相続人等に対してその侵害額を請求することができる権利。
③弁護士に依頼する
ここまで見てきたとおり、相続は難しい内容が多いですし、トラブルも避けられない問題ではあります。
弁護士であれば、相続に関する調停・審判・裁判などのトラブルは対処してもらえますので、遺産相続協議が整わない場合や相続に有効な遺言書の作成、もしも遺留分減殺請求が起こってしまった場合など、様々な問題を解決してもらえます。
費用はかかってしまうかもしれませんが、プロに任せることでトラブルを回避して、気持ちよく相続手続きをするほうが良いかもしれません。
まとめ
おすすめなのは、弁護士・司法書士・税理士などにそれぞれ電話しなくても、電話一本で相続対策専門士が相談を受け、各士業に確認を取り、それをもとに助言やサポートをしてくれる「遺産相続無料相談センター」です。
メールでの問い合わせは24時間行っていますので、平日なかなか時間が取れない方でも、連絡をすることができます。
プロの士業の専門知識を借りて、良い相続にしましょう!
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監修者
氏名(資格)
古閑 孝(弁護士)
-コメント-
相続には様々な形があり、手続きや申請方法もケースによって異なります。専門知識が無い方は申請書の不備等で無駄な費用が掛かってしまう可能性もありますのでしっかりと相談することをおすすめします。