お一人様相続というのは、これからは多くなっていくことが想定されています。
最近、お一人様相続ということが、世の中でだんだんと言われるようになってきています。
遺産相続と言うと、イメージとしては、妻へ夫から、あるいは夫へ妻から、子供へ親から、孫へ祖父母から、などと言うような間柄で行われる感じが強くあるでしょう。
しかし、家族のあり方が非常に現在は変わってきています。

このような背景から、近年、すぐに相続する人が見つからないというようなケースが間違いなく多くなってきています。
すぐに相続する人が見つからない場合に、被相続人が亡くなった場合は、思うように相続の手続きが進まなくなる場合が多くなっています。
次にご紹介するようなケースに該当する場合には、相続する準備を早めに進めておく必要があります。

 

相続人が不在の場合はどうなるのか?

天涯孤独で亡くなってしまい、遺言者が無く、6か月後に相続人が居ないことが確定されると、裁判所から選出された、相続財産管理人が亡くなった方の財産を管理、資産の売却を行い、債務などあった場合の穴埋めをいたします。

その際に、特別縁故者が相続できる可能性があり、亡くなった方と生計を共にしていた人・療養看護に努めた人、その他亡くなつた方と特別な縁故があった人のことです。
特別縁故者は家庭裁判所に対して、相続財産を受け取るための手続きを申し立てることができます。
その、手続きの後でも財産が残っていれば、国に納められてしまう事になり、毎年、300億円程度の相続人不在により、国帰属となる場合があります。
男性は5人に1人が未婚のまま人生を終えるというデータがあり、少子化がこの先ますます進めば、結婚しても子供がいない夫婦が増えると思います、以下のケースの方は、意識しておいた方が良いでしょう。

・周りを見た場合に、どのような人が自分の財産を相続してくれるか分からない、あるいは、相続を普段ほとんど付き合いがない親戚にお願いするようになりそうなケース

・ちょっと離れた親戚の叔母や叔父というような人の財産を相続する可能性があるケース

つまり、いずれのケースでも、お一人様相続の被相続人に自分自身がなりそうな場合です。
では、どうしてお一人様相続が、このように最近はクローズアップされているのでしょうか?
ここでは、最近、お一人様相続がクローズアップされている理由についてご紹介しましょう。

 

●お一人様の割合が日本全体で増加傾向

日本全体では、何十年も前からすでに核家族化が始まっていました。
しかし、最近はこれにプラスして、晩婚化や少子化が顕著になってきています。
さらに、結婚している夫婦の場合でも、離婚を約3分の1の夫婦がするような時代になってきています。
法定相続人が、このような背景から、少なくなってしまったり、あるいは全くいなくなったりするケースが、日本全体において多くなってきています。
では、どのようなケースの場合に法定相続人が全くいなくなるのでしょうか?
例えば、次にご紹介するような全ての条件に当てはまるケースの場合は、法定相続人が全くいなくなります。

・お一人様で、子供がいなかったケース
・すでに祖父母や両親が亡くなっていたケース
・兄弟姉妹がいなかったケース

相続する際に、近親者がもしいなかった場合は高めの相続税率になってしまいます。
次にご紹介するようないずれにも当てはまらない人が相続するケースは、2割相続税率が高くなります。

・夫あるいは妻の配偶者
・子供あるいは孫の直系卑属
・両親や祖父母の直系尊属

このため、相続を兄弟姉妹や姪・甥、または遺言で指定された人が行う場合は、不利に相続税率がなります。

 

●平成27年の法改正で何が変わった?

法改正が平成27年に行われたことによって、相続税が課される場合が多くなっています。
基礎控除額は、税制改正が平成27年に行われたことによって、平成26年までに対して6割に低下しました。

平成26年基礎控除額を計算する場合は、5000万円に相続人の数に1000万円を掛けたものをプラスしていました。
しかし、平成27年基礎控除額を計算する場合は、3000万円に相続人の数に600万円を掛けたものをプラスします。
このように、法改正が平成27年に行われたことによって、相続税を納付する義務が生じた人は全国的に多くなってきています。

相続税率が高くなる人

多く相続人の数があると、基礎控除額も多くなってきます。
しかし、家族が多くない場合は基礎控除額が少なくなります。

つまり、相続人の数が少ない場合は、納付する必要がある相続税率が傾向的に高くなります。
現在は、このようにお一人様相続が多くなる傾向があります。
これにプラスして、納付する相続税額において損するケースも多くあります。

 

お一人様相続の場合に準備すること

お一人様相続が予想される場合には、準備を早めに行うようにしましょう
お一人様相続の場合には、ほとんどの場合は希薄に相続人と被相続人の関係がなっています。
そのため、相続人と被相続人の間でコミュニケーションを十分にとらないうちに、相続が始まるケースも多くあります。
しかし、このような場合には、相続対策を損しないように行うことは当然ですが期待できません。

では、お一人様相続の対象に自分自身がなる可能性があるような場合は、無駄がない相続対策はどのようにすればできるのでしょうか?
お一人様相続の場合に無駄がない相続対策を準備するためには、余裕がある間に相続を検討する方がいいでしょう。

なお、無駄がないお一人様相続を検討する場合には、税理士に相談するのもおすすめです。
遺言などに関しては弁護士の分野になりますが、相続税関連の手続きに関しては専門の税理士の分野になります。

お一人様相続についてもし分からないことなどがある場合は、当センターの税理士にぜひ相談しましょう。
当然ですが、お一人様相続の相談内容に関しては、税理士は秘密を厳守いたします。

監修者

氏名(資格)
古閑 孝(弁護士)

-コメント-
相続問題は相続人によって異なります。相続人は親族であり、その後も長い時間をかけて付き合う可能性が高い相手。だからこそ、円滑に、そしてお互いが納得した遺産相続手続きを進めたいですよね。