葬儀の基礎知識とその理由

まず、直葬というのは、亡くなったところから火葬場へ直接送って火葬するようなイメージがあるでしょう。

しかし、法律で火葬は亡くなってから24時間はできないことが決まっています。
病院のほとんどは、長時間遺体を置けないので、自宅などに一旦安置することが必要です。

また、直葬の場合は、お別れの時間を亡くなった人と持てなかったため気持ちがいつまでも整理できなかったり、送ることがきちんとできなかったと後悔して先々まで悩んだりする場合もあります。
直葬は、最近葬儀の費用が少なくなるメリットがあるため着目されていますが、自分自身以外に十分に家族の想いも考えた上で選ぶ必要があります。

・葬儀費用の用意

終活をする人が最近多くなり、事前に葬儀の費用を用意している人が増えてきましたが、預貯金を使うつもりである人は注意しましょう。
口座の名義人が亡くなったことを金融機関が確認すれば、一旦預貯金の口座が凍結になって口座振替や入出金などの手続きが全てできなくなります。
というのは、相続財産に亡くなった人の預貯金がなることによって、相続人の権利が侵されることを防止するためです。
手続きを遺言書によって行う、あるいは全員の相続人の了解を得る金融機関が決めた手続きが終わるまで、口座は凍結されたままになります。
保険を使ったり、夫婦であれば、お互いの口座に葬儀の費用を用意するなどしておくといいでしょう。

・遺体の引き取り

自家用車で遺体の引き取りをするのは、法律に違反すると不安になる人もいるかもしれませんが、車の積載制限以内であれば問題ありません。
自家用車で遺体を引き取りする際は、死亡診断書を持って、十分に注意して遺体を傷めないようにしましょう。
しかし、体液が遺体の状態によっては漏れる場合があったりするため、専門業者に依頼する方が心配ないでしょう。

・遺骨の保管

遺骨を自宅などに保管しておくのは、法律上は問題ありません。
お墓を慌てて見つけるよりも、時間をかけて霊園として納得できるところが見つかるまで探すことが大事です。
遺骨と離れにくくてお墓に遺骨を納めることができないような場合でも、焦らないで気持ちが整理できるまでゆっくりすればいいでしょう。

 

葬儀から相続までの期間とその手順

被相続人が亡くなった場合は、「年金受給者死亡届」を厚生年金保険、国民年金を受けていた場合は提出し、「資格喪失届」を介護認定を受けていた場合は提出します。

手続きの期限

10日以内・14日以内

厚生年金の場合は10日・国民年金の場合は無くなってから14日以内です。
誰が相続人になるかを決めるために、被相続人が生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本を全て入手します。
被相続人が財産をどの程度持っていたかを調査します。

通帳やカード、固定資産税納付通知書、権利証などを調べて確認します。
不動産や預貯金などの財産のプラスのもの以外に、ローンや借金などの財産のマイナスのものも調べます。

3ヶ月以内

相続人を調べて相続する財産額が決まった後、そのまま相続する、相続放棄する、借金をプラスの財産の枠内で返す、のいずれを選ぶかを3ケ月以内に決める必要があります。

全員の相続人で、どのように遺産を分割するかを話し合います。
遺産分割協議書を話し合った結果によって作成して、全員の相続人が署名して実印を押します。
遺言書、戸籍謄本、遺産分割協議書などを使って、不動産の名義を変えたり、預貯金を解約したりするなどをします。

4ヶ月以内

亡くなった年に被相続人が所得税などの納税義務者になっていれば、「準確定申告」を相続が始まった日から4ケ月以内に行う必要があります。

10ヶ月以内

トータルの相続財産額が、一定額を控除額を考慮してもオーバーする場合は、相続税を納める必要があります。
相続が始まってから10ケ月以内に、この相続税の納付は行う必要があります。

 

死亡届はどこに出す?

死亡届の提出は、亡くなったところ、亡くなった人の本籍地、届出人が住んでいるところのいずれの市町村役場でもできます。
死亡届を提出すると「埋葬許可証」が受け取れますが、納骨する際などに必ず必要であるため、大切に保管しましょう。

遺族が亡くなるとお金がもらえる

亡くなった際ににもらえるお金は埋葬料・家族埋葬料は、健康保険に入っている人や家族が死亡した際にもらえます。

遺族基礎年金は、遺族に子供がいる場合にもらえる年金です。
遺族厚生年金は、遺族が会社員の場合にもらえる年金です。
中高齢寡婦加算は、40歳以上の子供がいない妻が遺族の場合に加算されます。
寡婦年金は、60歳~64歳まで第1号被保険者の妻がもらえます。
死亡一時金は、一時金として遺族基礎年金がもらえない場合に支給されるものです。
遺族補償年金は、仕事をしている際などに死亡した場合の遺族のためのものです。
未支給失業給付は、亡くなった人の遺族がもらえる失業給付です。
未支給年金給付は、年金受給者が死亡した際の年金の未支給分が請求できます。

 

家族が亡くなった際にする事のまとめ

家族が亡くなって、悲しいとはお思いますが、遺産相続には10ヶ月という期限があり、うかうかしていられません。
特に相続放棄は借金を背負ってしまうリスクがありますので、しっかりと調査を行い、負の財産等がないかしっかりと確認しましょう。
もし、家族同士が希薄等であれば早めに専門家に相談する事をお勧めいたします。

監修者

氏名(資格)
古閑 孝(弁護士)

-コメント-
相続には様々な形があり、手続きや申請方法もケースによって異なります。専門知識が無い方は申請書の不備等で無駄な費用が掛かってしまう可能性もありますのでしっかりと相談することをおすすめします。