親が亡くなった際に兄弟姉妹がいると、残った思い出がある大事な実家を誰が相続するか、という遺産分割協議になるでしょう。
相続権が自分にあった場合でも、兄弟が親の面倒をみていたことから、兄弟に実家を相続したいというような考えがある人もいるでしょう。
相続する方法としては、相続放棄・単純承認・限定承認があります。
ここでは、相続放棄についてご紹介しましょう。
高齢化の世の中になるにつれて、より身近に親の介護がなってきました。
親の介護を自分がする場合でも、親の介護を兄弟姉妹にしてもらう場合でも、介護をした人に相続をより増やしたいということになるでしょう。
相続財産が預貯金などのお金の場合であれば、少し多めに相続させることもできますが、思い出がある大事な実家のみの場合は困ります。
兄弟姉妹が親を介護するために同居していた場合などは、精算するために実家を売るのも非常に困難でしょう。
このような場合は、親の介護に対する感謝も含めて、実際の選択肢としては相続放棄になるでしょう。
相続放棄を選ぶのはどのようなケースか?
先にご紹介したように、亡くなった被相続人の遺産を別の相続人に相続させるケースの他には、相続放棄するのは負債を相続するのを回避するケースがあります。
相続する財産と言えば、不動産や現金のようなプラスの財産をよくイメージしますが、マイナスの財産である借金なども含まれます。
借金の方が相続する財産の中に多く含まれていると、最悪の場合は相続すると自己破産するかもしれません。
自分とは親の負債が関係ないため、借金は相続したくないでしょう。
相続放棄という方法が、相続に自分は関係したくないという場合のために準備されています。
当然ですが、プラスの財産の預貯金などのみを相続して、放棄をマイナスの財産のみをするのはできません。
相続放棄というのは、プラスとマイナスの財産の全ての相続を放棄するものです。
そのため、相続放棄をした後に、負債が新しく分かった場合でも、相続放棄を改めて宣言する必要はありません。
では、生命保険は、相続放棄をすると受け取れないのでしょうか?
基本的に、受取人固有の財産に生命保険はなるため、相続放棄とは関係ありません。
そのため、生命保険の被相続人の受取人の場合は、一般的に、生命保険は相続放棄しても受け取れます。
相続放棄する際に注意するポイント
・取り消しが相続放棄はできない
最も注意することは、取り消しが相続放棄を一度するとできないことで、慎重に相続放棄は判断しましょう。
・相続放棄を亡くなる前に宣言しても認可されない
相続放棄は、基本的に、相続が起きてからの方法になります。
亡くなる前に相続放棄を自分で宣言しても、相続放棄は正式なものにはなりません。
そのため、正式な手続きを相続が発生してから行う必要があります。
・相続が発生してから3ヶ月以内に相続放棄はする
いつでも相続放棄はできるということではありません。
被相続人が亡くなったのが分かった時から、3か月以内に相続放棄をする必要があります。
被相続人が住んでいた住所を管轄している家庭裁判所で、相続放棄の手続きをします。
そのため、親が田舎に住んでいた場合は、田舎の家庭裁判所で相続放棄の手続きをします。
・相続放棄すると相続権は子供に移らない
相続放棄をすると、相続が最初から無かったようになるため、相続権が子供に移りません。
そのため、別に相続放棄を子供が行う必要はありません。
しかし、相続放棄を被相続人の全ての法定相続人が行った場合などは、相続順位が移る場合があります。
相続順位としては、次のようになります。
・被相続人の子供、配偶者が第一順位
・被相続人の父母、祖父母の直系尊属が第二順位
・被相続人の兄弟姉妹が第三順位
多く負債がある兄弟姉妹などが亡くなると、相続が自分に回ってくる恐れがあるため、注意しましょう。
・現金を相続放棄する前に引き出すなどした場合は、相続放棄は認可されない
預貯金を引き出すなど、相続する財産を相続放棄の前に処分した場合は、相続放棄は認可されません。
遺産分割協議をしたり、被相続人の財産の名義を変えたりすると、相続する財産の処分に該当します。
相続放棄する方法についてご紹介しましょう。
まず、手続きを所定の期限内に行う必要があります。
先にご紹介したように、相続が分かった日から3ヶ月以内に、被相続人が住んでいた住所を管轄している家庭裁判所に申請します。
相続放棄の手続きを相続人自身が申請する方法
申請書類を郵送することもできます。
申請するために必要な書類としては、次のようなものが必要になります。
・被相続人の住民票
・相続放棄の申述書
・相続放棄する人の戸籍謄本
・800円分の収入印紙
・連絡するための切手
この他にも、書類が被相続人との関係で必要になります。
詳しい情報が、裁判所の公式サイトに掲載されいるため参考にしましょう。
相続放棄は3ヶ月以内に対応しなければいけません、当センターとしても、ご相談・手続きをお受けすることも可能ですのでご相談ください。
h3>監修者
氏名(資格)
古閑 孝(弁護士)
-コメント-
相続問題は、家族や親族がお亡くなりの際、必ず発生します。誰にとっても、将来必ず訪れる問題だと言えます。わからないことや不明点は積極的に専門家へお尋ねすることをおすすめします。