土地の測量と一言で言うことでも、いろいろなものがあります。
基準点測量が基本的な測量ですが、この他にも写真測量、地形測量、応用測量などがあります。
ここでは、現況測量(現地測量)と境界確定測量(用地測量)についてご紹介しましょう。
●現況測量(現地測量)と境界確定測量(用地測量)
現況測量というのは、数値地形図データを作るために、測量機器を現地で使って地物、地形などを測るものです。
測量図などを作るために、あるがままに現地を観測することです。
境界確定測量というのは、境界と土地などについて調べて、必要な測量図や資料を作るものです。
権利者として関係する人が現地で立会って、境界をチェックし、境界杭を境界点に設けて、測量図などを作ったり、境界確認書を取り交わしたりすることです。
現況測量の必要場面
・新しく建物を建てる
最も一般的なのは、新しく建物を建てるような場合です。
新しく建物を建てる土地に、建物がどのように建てられるかを検討するためには、敷地の奥行き、間口、形状、面積などが必要になります。
・土地の高いところと低いところの高さの違い
土地に高低差がある場合で、高いところと低いところの高さの違いを把握したい場合にも必要になります。
・真北方向を調べる
日照制限などを調べる際には、真北方向を調べる必要があります。
一般的に、真北方向を調べる際は、太陽観測を行って計算で求めます。
太陽観測の方法について、ネットなどでも紹介されているため参考にしましょう。
・土地を評価する
土地を評価する際は、奥行き、間口、形状、面積などが利用区分ごとに必要になります。
・測量図を確認する
土地を買うような場合は、現地の測量が売り主が示す測量図が正確かどうかを確認するに必要になります。
このようなことが代表的な現況測量の必要場面ですが、この他にも、建物の窓の位置、高さ、越境物、樹木の幹回りや位置などを図面化することもあります。
境界確定測量が必要となる場面
・土地の取引
境界確定測量が必要となる最も代表的な場面は、土地を取引するケースです。
従来は、登記簿に掲載されている公簿面積での取引で問題なかったようです。
しかし、地価が高くなったことによって、特に、最近は都市部の取引の場合は、土地の境界を買主側が確定してから実測面積による取引を要求されるケースが多くなっています。
また、境界確認書の引き渡しを、境界を隣地と確定した証拠として要求されます。
なお、土地境界の確定のためには、現地で隣地の持ち主と立会って、お互いに境界を確認することが必要になります。
そのため、隣地の持ち主が協力してくれなければ、境界が決定されないということになって、取引ができないこともあります。
・土地の物納
境界確定測量が土地の物納申請者の場合には必要になります。
税制改正が平成18年度に行われたことによって、相続を平成18年4月1日から行う場合は、細部にわたって物納の整備条件、書式、手続きなどが決められました。
土地に関しては、相続が始まってから10ヶ月以内の申告期限までに、必要書類として測量図、境界確認書、登記事項証明書などを出す必要があります。
つまり、土地を物納する場合は、測量図と現地と登記簿の一致が条件になります。
境界確定測量を行うには、時間が相当長くかかります。
そのため、申請期限に間に合わせるためには、被相続人が亡くなる前に実際に境界確定測量を始めなければならないということが生じてしまいます。
・土地の分筆登記
境界確定測量が、土地の分筆登記の場合にも必要になります。
新不動産登記法と関係する法令などが、平成17年3月7日から施行されたことによって、法務局に出す地積測量図の扱いが土地の分筆登記を申請する場合に明確になりました。
このことによって、分筆登記する土地に関しては、境界の全てに関して、隣地の持ち主と境界を確認することが必要になりました。
・払い下げや寄付
境界確定測量が、国有地、公有地を払い下げしたり、土地を寄付したりする場合に必要になります。
というのは、このような場合は、払い下げしたり、寄付したりする土地を確定する必要があるためです。
所管の役所によって手続きについては違っているので、近くの市区町村役場の窓口あるいは土地家屋調査士に問い合わせしましょう。
・境界杭の修復
境界確定測量が必要な卑近なケースとしては、隣地との境界杭が道路工事などによって無くなった場合にも必要になります。
なお、この場合、新しい境界杭を設置する際は、境界杭が無くなった土地に関係する全員の持ち主に立会ってもらって確認してもらう必要があります。
新しい杭を設置する場合は、このようにしなければ境界トラブルの要因になります。
ここでは、代表的な境界確定測量のケースについてご紹介しました。
これ以外にも、境界確定測量は土地の面積や境界を確定する場合は実施する必要があります。
当センターでは、土地家屋調査士などの対応も可能ですので、土地又は家屋に関する調査及び、測量等もお考えの方はすぐにご相談ください
監修者
氏名(資格)
古閑 孝(弁護士)
-コメント-
相続問題は、家族や親族がお亡くなりの際、必ず発生します。誰にとっても、将来必ず訪れる問題だと言えます。わからないことや不明点は積極的に専門家へお尋ねすることをおすすめします。