遺産相続した場合の確定申告。必要なものとそうでないもの

遺産相続した場合は、基本的に、確定申告が必要になります。

しかし、遺産相続した場合の確定申告は、遺産相続した人の全てが行う必要はありません。
簡単に言うと、遺産相続した金額がある一定額以上の場合は確定申告する必要があります。
このある一定額というのは、基礎控除額と言われているもので、3,000万円に600万円と相続人数を掛けたものをプラスしたものになります。
1人だけの相続人の場合は、相談する遺産が3,600万円以上でなければ確定申告の必要はありません。

また、遺産相続の場合に、現金が入手できるため、収入であると思って所得税の確定申告をする必要があると勘違いしている人がいますが、これは間違っています。
所得税の場合は、個人についての収入のフローに関係するものであり、相続のように他の人からもらった何の対価もないような場合は、相続税や贈与税がかかります。
そのため、遺産相続の場合でも、所得税の確定申告は基本的に必要ありません。
所得税の確定申告というのは、税務上の手続きで、税務署に毎年3月頃に行うものです。

直接所得税の確定申告と遺産相続は関係ありませんが、遺産相続によって確定申告の際に手続きが普通とは違ったものが生じることがあります。
このようなケースについて次にご紹介しましょう。

所得税の確定申告

不動産の駐車場や賃貸アパートなどのように、収入をそのものが生む財産を相続すると、所得税の確定申告をその収入に対して行う必要があります。
例えば、父親が賃貸アパートを持っており、確定申告を父親がしている場合に、この父親が亡くなると、相続人が賃貸アパートを相続すれば、父親の代わりに確定申告をその後行う必要があります。
5月31日に父親が亡くなった場合は、その年の1月1日~5月31日の収入は父親のものとして、6月1日~12月31日までの収入は賃貸アパートの相続人のものとして、それぞれ確定申告の手続きが必要になります。

なお、準確定申告と父親の被相続人の収入の確定申告のことを言って、亡くなってから4か月のうちに行うことが必要です。
普通の確定申告と同じように、次の年の3月15日までに相続人の確定申告は行うと問題ありません。

また、相続人が被相続人の賃貸ビジネスなどを相続する際は、必要ないくつかの手続きがあります。
特に、相続人がビジネスを承継して青色申告者になった場合は、書類を提出する期限に注意しましょう。

例えば、青色申告を生前に被相続人が行っていて、相続が1月~8月に発生した場合は、相続が始まってから提出を4か月以内にする必要があります。
なお、別のパターン、例えば、所得税の確定申告が相続した不動産を売ったケース、所得税の確定申告が相続財産を寄付したケース、などというような場合については、ネットなどで紹介されているため確認してみましょう。

 

所得税の申告方法

所得税の確定申告方法は、主として次にご紹介するようなものがあります。

・税務署に行って自分で行う

毎年、2月頃の確定申告の時期になれば、確定申告の相談窓口が全国の税務署で設けられます。
実際に税務署に行く必要がありますが、その場で資料などを持っていくと、確定申告がアドバイスしてくれながらできます。
しかし、大きな金額の場合や複雑な場合は、対応できないことがあるため税理士に相談するように言われます。

・電子申告を国税庁のホームページで行う

所得税の確定申告書を、国税庁のホームページの「e-Tax|国税電子申告・納税システム」から作ることができます。
しかし、知識がある程度なければ、申告書を一人で作るのは難しいでしょう。

 

弁護士や税理士への依頼

税理士に所得税の確定申告を頼む方法もあり、手間が手続きとしては最もかかりません。

しかし、手数料が内容によっても違いますがかかります。
最も簡単な場合でも手数料が5万円くらいはかかりますが、手間がかからなくて確実で安心な方法でしょう。
大きな収入額であったり、あるいは、手続きの時間が忙しくてなかなかとれなかったり、自分で確定申告書を作るのが心配であったりするような場合などは、迷わないで相続の案件を多く手掛けている、プロの税理士に頼むようにしましょう。

 

●準確定申告まとめ

遺産相続した場合の確定申告は、遺産相続した人の全てが行う必要はありません。

簡単に言うと、遺産相続した金額がある一定額以上の場合は確定申告する必要があります。
不動産の駐車場や賃貸アパートなどのように、収入をそのものが生む財産を相続すると、所得税の確定申告をその収入に対して行う必要があります。
所得税の確定申告方法は、主として、税務署に行って自分で行う、電子申告を国税庁のホームページで行うものがあります。
税理士に所得税の確定申告を頼む方法もあり、手間が手続きとしては最もかかりません。
自分で確定申告書を作るのが心配な場合などは、迷わないで相続の案件を多く手掛けている、プロの税理士に頼むようにしましょう。

監修者

氏名(資格)
古閑 孝(弁護士)

-コメント-
相続問題は相続人によって異なります。相続人は親族であり、その後も長い時間をかけて付き合う可能性が高い相手。だからこそ、円滑に、そしてお互いが納得した遺産相続手続きを進めたいですよね。