生命保険についてファイナンシャルプランナーが相談する仕事は、新しく入るための検討、入っている際の見直し、解約する際の検討があります。
ここでは、入っている際の見直し、解約する際の検討の場合に関係する「生命保険の解約」で損をしないテクニックについてご紹介しましょう。

将来の権利も生命保険の解約は失う

「解約」というのは、契約を辞めることです。
解約は、保険会社に契約している人自身が辞めることを伝える手続きです。
解約すれば、契約についての権利の全てを失います。

保険契約の権利としては、保障が「現在」行われているものと、変更が「将来」できるものも併せて持っている場合があります。
「変換」という保障期間の変更を医師の審査なしで保障金額内で行うものや、「転換」という仕組みが保障の現在のものを下取りするようなもの、一定の年齢になれば健康状態に関係なく、解約返戻金をベースに医療保険に死亡保険から変更が選べるものもあります。

将来のこのような権利も、失うことに注意する必要があります。
早期解約による少ない解約返戻金が、ペナルティとしてあります。
一般的に、保険契約のための事務費は、契約する人が払う保険料の中に付加保険料として入っています。
大きな事務費としては、「販売手数料」という販売代理店などに払う報酬に当たるものがあります。

これ以外には、保険が新しく成り立つまでは、会社の中の医務審査に当たる部門や医師の審査の費用、事務員の人件費、証券を出すための必要書類の費用など、初期の段階でいろいろな費用がかかります。
契約する人が払う保険料は、終身あるいは一定期間にわたって同じです。
しかし、大きな費用が初期の段階にかかるのは、保険業界において特有のもので、早期解約での少ない解約返戻金はこの費用を回収するために非常に当然のことです。

 

払うのが難しくなった際に解約する場合は「払済」に変える

解約する際のほとんどの理由は、保険料を払うのが難しくなった、保障の現在のものが必要なくなった、解約返戻金をお金が必要になったので受け取りたい、などというようなものでしょう。
保険料を払うのが難しくなった際は、解約しないで、「払済」へ変える検討をしてみましょう。
保険で保障を獲得しながら積立ができる仕組みのものとしては、終身保険、長期定期保険、年金保険などがあります。
払済というのは、払済へ変える時期の解約返戻金に相当する額を、死亡保障額のその後のものに換算して、その時期に一括で保険料を払ったとみなし、保険料の払いをその後無しにするものです。
最初に契約した際の死亡保障額よりは少なくなりますが、保障は少しでも残り、解約返戻金が継続しているため、運用によっては将来多くなる可能性があります。
払済へ変えることができるかどうかは、契約する保険や、保障が始まってから経過した年数、残っている保険期間などで違ってきます。
保険会社によっても違ってくるため、一度保険会社の担当者に問い合わせてみましょう。

保障が不要になった際に解約する場合は、掛け捨てか解約返戻金があるかで違う

現在の保障が不要になった際は、先にご紹介した「払済」が解約返戻金がある場合には検討できます。
掛け捨ての場合には、すぐに解約してもいいでしょう。
しかし、この場合に注意する必要があるのは、環境や健康状態の今後の変化です。
再度保障が将来必要になった場合に入ることが、健康状態でできないことも想定されます。
自分の将来の健康状態については、あまり過信しないで十分に考えておきましょう。
解約する場合には、十分にこのようなリスクを考慮したうえで検討しましょう。

お金が必要になった際に解約する場合は選択肢に「減額」も入れる

お金がまとまって必要になった場合には、「減額」あるいは「解約」がおすすめです。
必要なお金が満額の解約返戻金より少ない場合は、全ての契約を解約しないで、「減額」をして、保障に充てている減額した分の返戻金だけを受け取るものです。
例えば、死亡保障が1200万円の契約の場合に、500万円解約返戻金があるとしましょう。
250万円が必要なお金とすると、600万円の死亡保障減額に対して250万円の解約返戻金を受け取りつつ、600万円の残りの保障を死亡保障額としては続けることができます。
解約返戻金としては、残りの250万円分が続いているため、運用によって将来多くなる可能性があります。

 

差し押え契約で注意すること

「差し押え契約」がたまにあります。
差し押え契約というのは、債権者が強制的に契約している人が持っている保険契約を解約して、債券回収に解約返戻金を充てるものです。
保険契約は、基本的に受け取りする人のために、契約を必要があるために行うものです。
保険契約が必要かどうかに関係なく、以前は解約を基本的に行っていました。
しかし、現在では、受け取りする人に保険会社は連絡して、契約を続けたい場合は保険会社へ解約返戻金に相当する額を払ってもらって、債権者へこれを渡して、契約の解約を避けることを提案しています。

監修者

氏名(資格)
古閑 孝(弁護士)

-コメント-
相続問題は相続人によって異なります。相続人は親族であり、その後も長い時間をかけて付き合う可能性が高い相手。だからこそ、円滑に、そしてお互いが納得した遺産相続手続きを進めたいですよね。