現在は認知症になる人が多くなっており、遺言書を元気な時に作っておきたいと思っている人は間違いなく多くなっています。
なお、日本公証人連合会のホームページによれば、遺言公正証書を作成した件数は平成26年に約10万件になっており、約7万件の平成17年から1.5倍に増えています。
遺言書としては、公正証書遺言書、自筆証書遺言書、秘密証書遺言書の3つがあります。
特に、自筆証書遺言書の場合は、手軽に自分だけで作成することができ、ほとんど費用もかかりません。
しかし、トラブルも記載間違いによって多くあります。
ここでは、自筆証書遺言を作成する場合にトラブルを起こさない方法についてご紹介しましょう。

財産の全てを記載する必要がある

自筆遺言証書には、遺言者の財産の全てを必ず記載することが必要です。
そのため、普段から、財産の全てを書き出しておいて、メンテすることが必要です。
万一書き漏れた場合を考慮して、「その他の遺言者の財産の全ては妻に相続させる」などを遺言書には追加しておくことが必要です。
このようなことを書いていない場合には、書き漏れた財産の相続に関して相続人間でトラブルになる恐れもあります。

正確に資料を見ながら書く

書く場合には、正確に資料を見ながら書きましょう。
ここでは、具体的に注意することについてご紹介しましょう。

・名前を間違えない

名前については、戸籍に書いてある名前を書く必要があります。
名前を間違えないだけでなく、愛称や俗称などでも駄目です。
また、生年月日と遺言者との関係も書いておくといいでしょう。

・不動産は登記簿の通りに物件ごとに書く

不動産を書く場合は、登記簿の最新のものを確認しながら、登記簿の通りに書きましょう。
不動産を特定することができるように、家屋番号や地番、構造と種類や地目、床面積や地積などを書いておく必要があります。
隣の地番を間違って書いてしまえば、所有者が異なっていることになって、相続を指定した相続人に行うことができない恐れもあります。
なお、共有にするのであれば、持分割合も書いておく必要があります。
しかし、相続が実際に生じた後に処分する際は、共有する全ての人の実印と同意が必要になるため慎重に考えましょう。

・有価証券や預金は通知書や通帳で確認する

有価証券や預金についても、正確に金融機関の支店・名義人・口座番号・預金種類などを書きましょう。
不動産と同様に、口座番号が違うと他の人の口座になり、スムーズに相続ができなくなる場合もあります。
有価証券や預金などは、価格が毎日変わるため、金額は書かないようにしましょう。
例えば、どこの銀行のどこの支店のどの口座番号の1000万円の普通預金を長女に相続させる、という場合は、相続が生じた際に1000万円をオーバーする分は誰が相続するかになって、トラブルになる恐れがあります。

・「遺留分」をトラブルを回避するために考える

遺留分というのは、相続分を法定相続人が侵害された際、申し出すると保証がその2分の1について行われるものです。
例えば、相続人が2人の息子の場合で、「全て長男に相続させる」と遺言書にあれば、次男は兄に対して法定相続分の2分の1である4分の1を「遺留分」として減殺請求ができます。
遺言書の内容は、遺留分を考えたものにする必要があります。

●他に注意すること

これ以外に注意することについてご紹介しましょう。

・先に相続人が亡くなったケース

亡くなった人に対する遺言は無効になります。
無効になったところに関しては、全ての相続人で分割協議をして、遺産分割協議書を作る必要があります。
最もいいのは書き直しを再度することですが、意思能力がその時点で下がっていることなども考慮すると、「相続人が亡くなった場合はだれに相続する」と書いておくことも必要です。

・必ず遺言執行者を決めて書いておく

遺言執行者を決めておくことは、案外と知られていませんが、非常に大切なことです。
相続が実際に生じた場合、名義変更手続きや財産の解約は非常に多岐に渡って煩雑です。
銀行口座を解約する場合などは、遺言執行者が遺言書に書かれていると比較的手続きもスムーズにできます。
遺産を相続人以外に相続させたい場合は、特に書いておくことが必要です。
また、「相続人の廃除の取り消し・廃除」「子の認知」を遺言書に書く場合は、遺言執行者を必ず書く必要があります。

・厳格な決まりが遺言書にはある

自筆証書遺言の場合は、安価で気軽に書けるため、見直しが容易に定期的にできますが、決まりに準じているかその都度確認する必要があります。
また、信頼できる第三者の公証人役場に伝えておくなどが必要になります。
さらに、相続が生じた場合には、「検認」の手続きを家庭裁判所で行う必要があります。
このようなことを考慮すると、「公正証書遺言」を作る方が安心で確実でしょう。
遺言書の場合には、「付言」という簡単なメッセージを書くこともできます。
素直に現在の思いを伝えると、温かい気持ちで家族も読めるでしょう。